犬の膝蓋骨脱臼
小型犬全般に多くみられる膝蓋骨脱臼は、パテラとも呼ばれているようです。
パテラとは解剖学用語で膝にあるお皿のような骨という意味だそうで、簡単に言うと、その膝のお皿がはずれる関節疾患だそうです。
片方だけでなく両足がはずれることもあるようです。
原因
外傷によるもの以外は遺伝的な素因があると考えられていて、先天性のものや、発育の時に骨やじん帯、筋肉の形成に異常が生じ発症することが多いようです。
我が家の原因
我が家のビショミの場合は、ビションブリッツの途中で発症しました。
ビションフリーゼを飼ったことがある方はお分かりだと思いますが、ビションブリッツは、なんの前触れもなく突然走り出す行為のことです。
物凄い勢いで走り出し、急にターンしたりを繰り返すのです。
普段は、しばらくすると落ち着いて終わりになるのですが、その日はターンの途中で「キャンキャン!」と大きな声が聞こえてきたのです。
今まで聞いたことがないような泣き方だったので急いで見に行きました。
しばらく動けず、少し触れるだけで痛そうで、こちらもとても不安になりました。
いつも元気なビショミも、その後は、ケージの中でおとなしくしていて、負傷した方の足を浮かせるように座っていたので、かなり痛かったのではないかと思います。
翌日、病院に連れて行くと膝蓋骨脱臼だと診断されました。
ビショミの場合、膝に負荷がかかるような刺激によって後発的に発症したように思えますが、獣医さんのお話では先天的なものも原因だと説明がありました。
膝蓋骨脱臼の症状
膝蓋骨脱臼の症状によってグレード1から4までに分類されるそうです。
グレード1…無症状でいることもあり、触診で脱臼が認められる状態
グレード2…日常生活で膝蓋骨がはずれたり元にもどったりを繰りかえす
グレード3…膝蓋骨が常に脱臼している状態で痛みを伴う
グレード4…人の指で動かしても膝蓋骨を元の位置に戻すことができないくらい重傷で、歩行困難を伴いがちなる
治療方法
内科治療
膝蓋骨脱臼の内科治療は、保存療法になるようです。手術などで直接の原因を取り除くのではなく悪化を防いだり少しでも良い状態を目指す治療になります。
比較的軽度な症状のワンちゃんが対象で、重傷なワンちゃんの場合、保存療法は困難になるようです。
治療方法は、かかりつけの獣医さんと相談しながらとなるでしょうが、以下ののような治療内容になります。
●鎮痛薬(痛み止め)
●サプリメント(関節系)
●サポーター
●体重管理
●生活環境を整える
●リハビリテーション
我が家の場合
触診で脱臼が認められ、指ではずれた膝蓋骨を元に戻してくださり、サポーターで固定しました。
痛み止めのお薬と炎症を抑えるお薬を2週間分いただきました。
ビショミは、サポーターを嫌がり外そうとするので、後でエリザベスカラーを購入しました。
エリザベスカラーとは、傷口を舐めたり嚙んだりするのを防ぐための首につけるアンテナのようなカバーです。
3日くらいエリザベスカラーを付けていましたが、気にならなくなったようだったので外しました。
「安静にしてください。」と獣医さんに言われたので、2週間後の診察までは出来るだけケージの中で過ごしました。
2週間後の診察では、痛みもなさそうだったのでお薬も出ず、サポーターも外しました。
外科治療
重度なグレード3・4の場合や、軽度であっても日常生活に支障をきたすような場合には手術が必要になってくるそうです。
手術のタイミングや術式などは、かかりつけの獣医さんと相談をしながらになるでしょう。
膝蓋骨脱臼の治療をしないとどうなるの?
膝蓋骨が脱臼したまま放置しておくと、子犬の成長期には筋肉の付き方が不健全になったり、骨が変形する場合があるそうです。
成犬でも、関節の軟部組織の炎症で関節包が腫れ関節炎で苦しむこともあるそうです。
異常を感じた時は、出来るだけ早く獣医さんに診てもらう方がいいですね。
膝蓋骨脱臼から愛犬を守るために出来る事
太らせないようにしましょう
肋骨と背骨の位置がわからないようなら太り気味のようです。
ご自分のワンちゃんも触ってみて、当てはまるようなら注意が必要ですね。
小型犬の中でビションフリーゼは、わりとガッシリしていて筋肉質です。
その為、適正体重をオーバーしてしまうと膝への負担が大きくなります。
食事とおやつを与えすぎないようにして、しっかりと体重管理をしないといけないですね。
激しい動きを控えましょう
ジャンプなどの激しい動きは、膝蓋骨を脱臼させやすくするそうです。
飼い主さんのベッドやソファー、高い所からの飛び降りは膝にはよくありません。
膝まわりの筋肉維持のための適度な運動は大切ですが、大きなジャンプや急なターンは気を付けなければいけませんね。
すべらない床で生活をしましょう
ワンちゃんの膝のためには、カーペットなどを敷いた滑らない床での生活が理想です。
飼い主さんのベッドやソファーから飛び降りる時の着地点にも工夫が必要になってきます。
たとえ飛び降りた着地点がカーペットだったとしても、四肢にかかる負担は大きいからです。
対処法としては、飼い主さんのベッドやソファーにドッグステップを設置してあげたり、着地点に膝への負担を吸収してくれるような柔らかい座布団などをおいてあげるといいですね。
また、爪が伸びていたり、肉球の間の毛が伸びていると滑りやすくなります。
定期的に爪を切ったり、足裏のお手入れをしてあげましょう。
まとめ
膝蓋骨脱臼は、手術による外科治療を行わない場合、一生付き合っていかなければならない場合もあります。
発症してしまった時は、症状が悪化しないように、しっかりと体重管理をして、ワンちゃんが生活するための環境を整え、激しい動きをしないように気を付けなければなりません。
我が家が気を付けていることは、ベッドとソファーにドッグステップを設置。
ビションブリッツが始まると、出来るだけ動きを止めるようにしたり、ビションフリーゼは活発なので、ジャンプもよくするのですが、こちらも出来るだけ早く抱きかかえて止めるようにしていますね。
後は、定期的に爪を切ることと、バリカンで足裏の手入れをしています。
膝蓋骨脱臼と診断されてから1年くらい経ちますが、今のところ元気に過ごしてくれています。
これからも出来る事を取り入れ、楽しく生活できるよう気を付けていきたいと思います。
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